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2008年08月01日

みんなdeクエスト

b3.gifみんなdeクエスト

最近はまっている、スクエニの無料携帯ゲームです♪
なかなか楽しいです☆
posted by 佐藤 由 at 13:15| Comment(30) | TrackBack(6) | ゲーム スクウェア信者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月27日

「手紙」が映画化

以前、ここでも書いた、東野圭吾氏の「手紙」が映画化され、11月に封切られます。
東野圭吾作品、それなりの数読んだと思いますが、僕が一番涙を流したのが「手紙」です。
ぜひぜひ、見に行って、あの感動を再び味わいたいものです。
posted by 佐藤 由 at 09:00| Comment(18) | TrackBack(5) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月26日

むかし僕が死んだ家

dead.jpg

久々に読んだ東野圭吾の作品。

舞台は長野県の廃屋。
登場人物はたったふたり。
序盤、いくつもいくつも張り巡らされている複線。それが物語後半、徐々に解けていく。
「あれ?これって矛盾してない?」と途中で感じた部分も、最後まで読むと最終的にはすべての辻褄が合い、ああなるほど!と氷解します。
posted by 佐藤 由 at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月16日

ヨーロッパ一周に行ってきました

clain.jpg

 7月上旬より、ヨーロッパ一周の旅に出てまいりました。
 その間3ヶ月、ブログの更新はほぼ出来ず。。。

 ヨーロッパ一周の記録は、また別のブログなりサイトなりを起こして、出来れば紹介するとして、またこれから少しずつこちらのブログも更新していこうかと思います。
posted by 佐藤 由 at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月27日

ABC殺人事件

abc.jpg

 久しぶりのブログ更新。

 現在4ヶ月程度の予定でヨーロッパ一週旅行中で、なかなか更新する時間がなかったのですが、ようやく落ち着いてネットが出来る環境にめぐり合ったので、この旅に持ってきて読んだ本について書こうかと思います。

 といっても日本から持ってきてる本は2冊しかなく、そのうちのまず一冊。
 アガサクリスティーの『ABC殺人事件』。

 イギリス各地で発生した連続殺人事件。
 被害者間にはなんの関連性も存在しないが、事件の発生した場所と被害者の名前の頭文字が、A、B、C・・・と、アルファベット順であるという妙な秩序。
 クリスティーの作り出した名探偵、エルキュール・ポアロのもとには、その殺人事件が発生する前に毎回手紙が送られ、殺人予告がなされる。

 何故犯人は、関連のない人間を、ABC順に殺していくのか?
 ポアロが、犯人を追う。

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 結末は、分かってしまえば「ああ、やっぱりな」という感じですが、これが70年も前に書かれた事を考えると、この種のミステリーの先駆けとなってるんだなぁ、と改めてびっくりです。

posted by 佐藤 由 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(1) | アガサ・クリスティー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

黒龍の柩

 2001年1月から2002年4月、毎日新聞に連載された、歴史小説。
 幕末の日本。新撰組の土方歳三をメインにして、史実の流れに無理なく想像上の思想・出来事を盛り込んだ、幕末歴史小説の傑作です。

 局長:近藤勇、総長:山南敬助、副長:土方歳三、そして副長助勤の沖田総司、永倉新八、斉藤一、藤堂平助、原田左之助。
 物語は土方歳三の思想、行動を筋に、序盤は山南との友情と思想の交流を、終盤は新政府設立に向けた薩長との駆け引きや旧幕府要人との交感を描きます。

 北方謙三は、史上の事実に独自の解釈を入れて読者を非常に愉しませ、唸らせます。
 まず、山南の処断という史実。これは「土方との意見の対立から脱走した結果、罪に問われて切腹させられた」という旧来の解釈があります。しかし、北方氏は、「実は既に病気で先が長くないと判断した山南が、思想的に危険人物と判断した参謀:伊藤甲子太郎に対して、『例え幹部であっても容赦はしない』と見せかける為に、土方との友情から謀った事だった」という、奇抜なのに説得力のある意味を加えています。
 そして、土方と山南は、勝海舟や坂本龍馬と裏で繋がり、「薩長との日本内戦は外国による日本侵略を容易にさせるだけ」であり、「不戦を貫き、徳川慶喜を担いで蝦夷に新国家を建設しようと目論ろもうとした」というのです。つまり、鳥羽・伏見の戦いから、江戸・会津、そして五稜郭へと続く新撰組の北進は、「新撰組が死に場所を求めて新政府から逃げつつ北上した」というこれまでの考えを根底から覆すものであり、実は徳川慶喜を伴って蝦夷地を目指した道程だったのだ、というびっくり仰天の解釈を取り入れたのです。なんとも突拍子もありませんが、「何万人の人間が慶喜に同調して蝦夷入りするか」「何を特産として貿易をするか」といった、国として必要な政治、経済、軍事について、尤もらしい試算をきちんと入れる事で、何だか本当にそうだったのではないかと錯覚してしまう位です。

 西郷隆盛の計略による蝦夷新国家構想の重要人物であった小栗上野介の暗殺、勝海舟の意識の変化、徳川慶喜の奪還、といった土方ら旧幕府の志にとって誤算が続き、結局は新国家建設は最後の最後に頓挫してしまいます。
 既に五稜郭まで至っていた土方は、信念をもって攻めてきた新政府軍との戦いに入りますが、ここで最後のどんでん返しを北方さんは用意していました。それは、新撰組食事係であり、物語序盤からずっと土方や山南、沖田らを見守ってきた久兵衛が、土方の身代わりとなって戦い、実は土方は新政府軍の目から逃れたというのです。文庫本巻末の解説にも書いてありますが、これは「原田左之助の満州復活伝説」をなぞった、色々な想像を巡らす事の出来るあと引く終わり方となっております。

 新聞連載だったという性質上か、たまにくどいと思う部分が出てきたり、視点の変わり方に違和感を覚える部分が多々出てきはしましたが、それを差し引いても、歴史小説のプロットとしてこれ程面白い小説はなかなかないのではないかなと、あまり時代小説を読まない僕は書くのも変ですが、思いました。これを面白いと思わない人は絶対にいないと断言できます。
posted by 佐藤 由 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(10) | 北方謙三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

水滸伝 十九章:旌旗の章 〜楊令編〜


 第十九巻、最終巻「旌旗の章」は、楊令を取り上げるしかないでしょう。

 登場は、まだ楊志が二竜山入りする前まで遡ります。即ち、正式に梁山泊兵となるのは最後の僅か二巻の間だけでありながら、実はかなり序盤に登場していてるのですね。

 二竜山近くの村が襲われ、そこで孤児となっていたまだ幼い子供。両親を失ったショックからか、声を発する事の出来なくなっていたその子供を、楊志は連れて帰り、養子として妻・済仁美と共に育てる事とします。これが楊令の登場でした。楊令というのも、養子が授けた名前でした。

 言葉を失い、暗かった楊令が、楊志や済仁美の温かい手の下で、徐々にその明るさを取り戻しつつあった時、楊志と済仁美が王和の軍の謀に嵌り、自信の目の前で殺されてしまいます。二度目の親の惨殺を受け、楊令は再び言葉を失ってしまうのです。
 そんな楊令に、人間として接したのが、林冲、秦明、魯智深らでした。
 林冲は二人でただ対峙し、打ち合う事で互いに何かを感じ合う。
 秦明は第三の親として、温かくも厳しく楊令に接して、親子として、人間として付き合う。
 そして魯智深は、良いおじさんであり、楊令にとってはもしかしたら仙人のような教師のような存在だったのではないでしょうか。 さらに、鄭天寿や劉唐、子午山で出会った梁山泊の勇者たちと共に育つ事で、徐々に明るく、そして強く育っていくのです。

 そんな楊令を、りっぱな大人まで何年も育て上げたのが王進でした。第一巻で紹介した王進と、最終巻でとりあげた楊令。二人とも、水滸伝の中でけして梁山泊のメイン勇者として登場するわけではないけれど、確実にこの二人が次代の宋国を変えうる人間であります。

 魯智深の死をもって、ついに梁山泊の仲間入りする楊令。
 最初は二竜山で一兵士として。そして、おそらく楊令伝で何かしらの形でその後が描かれるであろう、阿骨打の一族との関わり。
 これらを経験して、ついに梁山泊軍に正式加入。林冲騎馬隊に参加し、林冲亡き後、史進らの推薦により、なんと梁山泊最強部隊である林冲黒騎兵を率いる事に。最終決戦では、何度も何度も童貫の騎馬隊とあいまみえ、既に先が見えた梁山泊VS宋の戦いにおいて、「楊令ならばなんとかしてしまうのでは」と、可能性を感じさせてくれたのです。

 最後、追い詰められた梁山泊軍は撤退を決意。しかし、官軍の追及は激しく、山寨に追い詰められた梁山泊軍は、次々に兵が殺され、結局山に火をつけられ敗北が決してしまう事となるのです。
 物語の最後は、聚義庁に追い詰められ、もはや逃げ延びる事は不可能と判断して座して最期を待つ宋江の下へ楊令が駆けつけ、替天行道の志を受け継いで終わります。


 北方謙三氏は、この物語の正式な続編として、今年秋を予定して『楊令伝』を執筆するとか。
 僕は時代小説をそれほどたくさん読んだ事があるわけではないけれど、この物語は抜群に面白かった。
 きちんとした評論として、どこがどう良かったか、という事を上手く書く事が出来ません。このドキドキ感、爽快感を、言葉で描こうとしてもそれをするだけの技術が僕にはありません。
 ただ、間違いなく言えるのは、これほどまでに多くのキャラクターが登場しながら、それぞれの人物の書き分けがすばらしく、これほど多くの人物がひとりでに立って歩き出してしまう小説は他にない、と言う事です。

 楊令伝、今から非常に楽しみであります。
posted by 佐藤 由 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 北方謙三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

水滸伝 十七章:朱雀の章 〜魯智深/盧俊義編〜


「朱雀の章」は、非戦闘員の二大巨頭、魯智深(魯達。僕は魯智深の名前の方が好きだったりします)と盧俊義編でございます。
これまでは各章ひとりずつ取り上げましたが、僕の中では宋江側の第二位が魯智深、晁蓋側の第二位が盧俊義というイメージを持っていまして(呉用でも柴進でも戦闘員たちでもない)、その二人が共にこの朱雀の章で死にましたので、セットで登場させました。

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 ついに童貫自らが兵を率いて梁山泊を攻めてきた。これまで美味しい果実が熟すのを座して待っていた童貫だが、梁山泊を自分が全力をもって戦うべき敵と見定めたのである。

 童貫はまず双頭山を攻めてきた。必死の抵抗をみせた董平率いる双頭山軍だったが、ついに三角の一角を落とされてしまう。
 直近の戦いで兵が疲弊してきた梁山泊は、なんとか時間を稼ごうと画策する。そこで案を出したのが盧俊義であった。

 盧俊義は青蓮寺による拷問以降、梁山泊内に篭って、いつ死ぬとも分からぬ日々を過ごしていた。自分の死期が近い事を悟っていた盧俊義は、梁山泊内で戦闘続投派と不戦講和派による対立が起きており、戦闘続投派の筆頭として自分の名を使った上で、「盧俊義死す」の誤報を流して、梁山泊全体が不戦講和に傾きつつある事を、宋に対して印象付けた。
 長期に渡る賊徒鎮圧戦に憂いを感じていた帝と、その帝に対して一定の信頼と発言権を得ていた高求は、梁山泊側の講和交渉依頼に応じる事とした。さすがの童貫も帝の決定には逆らえず、兵を撤退させざるをえなかった。
 梁山泊側の代表として交渉係となった解珍は、のらりくらりと講和交渉を進め、その間に梁山泊軍は兵力を再び整えていくのであった。
 時期を見て、解珍は講和交渉を破算させた。この時になって、高求はそれが梁山泊の時間稼ぎだった事に気づくが、時遅し。好機を潰す事となった童貫は、気に食わないと思いつつもこれまでけして面と向かって叱咤しなかった高求に対して、ついに怒りを爆発させ、以後、「余計な真似をした場合は斬る」事を宣言するのであった。

 誤報を信じ込ませるため、わざと死を演出し、「敵を騙すにはまず味方から」と、その後も梁山泊の幹部以外には本当に死んだと思わせてその身を隠していた盧俊義は、今度こそ本当に自分の死が間近である事を感じ、講和決裂の報を受けてついにその姿を梁山泊兵たちの前に現した。そして、聚義庁頂く山頂から、兵たちに向かって別れの雄たけびを上げ、果てるのであった。


 その頃、各地放浪をしていた魯達は、衰弱状態で子午山に運ばれていた。
 自分の死期が近い事を悟った魯達は、楊令にこれまでの梁山泊の長い戦いについて語り出す。それは一日数刻ずつ、何日も何日も掛けて行われていった。女の話も含まれていた。
 そしてやがて、梁山泊幹部の紹介をしていく。一日一人ずつ。その中には、秦明や林冲、索超や鄭天寿ら楊令のよく知る人物から、全く会った事も聞いた事もない人間も含まれ、そしてもちろん楊志の名もあった。
 日に日に精気の失われていく魯達を案じながらも、楊令はその言葉ひとつひとつ、全てを胸に刻み込んでいく。
 長い日数をかけて、やがて魯達は全てを伝え終えた。そして、魯達は、梁山泊の将来を楊令に託し、自らその命を断つのであった。

 既に心技体、全てにおいて一人前の男であり、戦士へと育っていた楊令。魯達の語りと死を受けて、ピースは全て揃った。
 楊令は、王進に許しを得、ついに子午山を後にし、梁山泊へと向けて馬を走らせるのであった。
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 もちろんどの章にも見所はたくさんありました。そして終盤ともなればそれは一層濃くなるのは当たり前でありますが、この朱雀の章は、特に内容が濃い!
 魯達、盧俊義の死の他、童貫VS梁山泊本隊、特に張清による飛礫攻撃があるなど、童貫との戦闘も激化。さらに、ついに致死軍VS高廉軍という、闇の戦もフィナーレを迎えるのです。公孫勝のおとりとなって劉唐が死に、代わりに高廉も殺害。公孫勝も負傷して梁山泊に入る事となり、長く続いた致死軍の争闘は終結します。劉唐の死はショッキングでした。

 さて、魯達(魯智深)も盧俊義も、第一巻から登場する超重要人物です。
 ただ、死に際がかっこよかったため、ここで登場させてはいますが、やはり僕の中では魯智深という人間はインパクト大でした(まぁ、北方水滸を読んだ方はだれでも感じる事でしょうが。。。)。

 作者ももちろんある程度意図しては書いたでしょうが、意識したからと言ってそうそう人物を立たせる事など出来ないものだと思います。魯智深は、まさに「キャラクターがひとりでに立って動き出した」最たる人物ではないでしょうか。
 もちろん体術、素手での格闘は(ここは僕の勝手なイメージですが)燕青、武松に次いで、林冲や史進よりも強いのではないかと言う位の腕を持ちながら、あまり戦闘シーンでは登場しない。その代わり、逆に戦闘以外の場では、全てが魯智深の思念によって動いているのではないかと思ってしまう位、強烈なイメージをこちらに送り込んでくるキャラクターでした。
 チャイナ水滸を知らない僕は、第一巻を読み終えた時点で、「いつか必ず王進が梁山泊入りするんだろうな。そしてこいつがきっとかなりキーな役割を果たすんだろうな」と漠然と思っていました。はたして、確かにキーとなる役割は果たす事となるものの、しかし結局王進は子午山に篭ったきりとなってしまいました。王進がもし梁山泊軍に加わっていたらば、結果はまた変わっていたのではないかと思わせるほどの人物だけに残念ですが、「あの魯智深が一度声を掛けた上で諦めた。しかも、その後はけして仲間入りを口にしなかった。」訳で、魯智深がそう判断したんだから、始めからありえない未来だったのだな、と変に納得してしまう。もし、あの時点で宋江が声を掛けていて同じ事になっていたとしたら、きっと僕は「宋江じゃむりだべ。魯智深に説得に向かわせろやぁ!!」と思ったでしょう。僕の中で魯智深は宋江より上の人物なのであります。好き度でいったら、宋江より好きな人物は梁山泊軍の中だけでもいっぱいいます。林冲、楊志、武松、李逵、燕青、使堯∈c供∋某福⇔d癲�呼延灼、石秀、鄭天寿、馬麟、宣賛、朱仝、雷横、花栄、王定六、郁保四、などなどなどなどなど。。。(順不同。やばい。。戦闘員はほとんどかもしらん)。しかし、好き嫌いではなく、上か下かという意味では、魯智深しかいないのです。何が上かはよく分かりませんが、とにかく上なんです。ただ一点、「座して待つ」という点においてのみ宋江は魯智深の持っていない資質があったために頭領の座に就いていただけだというのが、僕の魯智深への最大限の賛辞であります。
posted by 佐藤 由 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 北方謙三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月30日

嘘をもうひとつだけ

 文庫本「嘘をもうひとつだけ」は、湯川シリーズの「探偵ガリレオ」や「予知夢」のような東野短編集となっています。

 収録されているのは、
・嘘をもうひとつだけ
・冷たい灼熱
・第二の希望
・狂った計算
・友の助言

 気を抜いて軽い気持ちで読むのにはいいのですが、やはり東野圭吾の真骨頂は長編で、しかも謎解きに主眼を置くと言うよりは人間関係などの複雑な背景をベースにした、広義のミステリーのほうが面白いですね。
posted by 佐藤 由 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月29日

鳥人計画

 今年4月。久しぶりに東野圭吾の小説が無性に読みたくなり、書店で4冊ほど購入。その中で、最もぞくぞくぞくっとした作品がこれです。一気に読みきりました。
 この作品、色々な過去の出来事や人間関係が蜘蛛の糸の様に複雑に張り巡らされていて、全てが最後の驚きに向かう伏線となっています。なので、あらすじを書くのがすごく難しい。。。下手に書くと、読んでいない方に結末をばらしてしまう事になりかねない。普通の作品だった場合、私はあまりそこを気にしないで書くのですが、この「宿命」は、ぜひ、その辺のごちゃごちゃっとした謎に惑わされ、そして最後に全てが分かった時の感動を味わってもらいたく思うのです。
 というわけで、文庫本の巻末に収録された解説を一部抜粋させてもらって簡単に紹介する程度にしておきます。

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 日本スキージャンプの若手期待のホープ楡井が、恋人の目の前で飛んだジャンプの後、死亡した。
 死因は、楡井が毎食後飲んでいた常備薬のカプセル内に仕掛けられた毒薬であった。昼食後30分で死亡した事から、昼食時に飲んだ薬に仕掛けられていただろうと予想された。
 犯人探しは、そのカプセルに毒薬を仕掛ける事が可能だった人物探しと、その毒薬の入手経路から始まった。しかし、警察は決定的な証拠はおろか、手掛かりすら見つけられない状態であった。

 楡井の所属していた原工業で、スキージャンプのコーチをしていた峰岸は、なかなか捜査の進まない警察の動向を見て、胸を撫で下ろした。毒の入手経路も、カプセルへの仕掛けも、簡単にばれない自信があった。
 しかし、事件2日後、自分の部屋に戻った峰岸の前に、見慣れない紙が置かれていた。そして、そこにはこう書かれていたのである。
「楡井を殺したのはあなただ。自首しなさい」

 楡井が死んだ事で、今度は自分の時代だと想っていた沢村だったが、気になる事があった。最近、めきめきと実力をつけてきた杉江の事である。何があったのか、ここ数ヶ月で、それまででは信じられないようなジャンプをするようになったのである。
 それとなく杉江をチェックしていた沢村は、杉江の体が以前とは比べ物にならないほど筋肉がついていたのである。さらに、杉江が毎日秘密のトレーニングを行っていると言われる場所に忍び込み、そこで奇妙な大規模装置と、楡井の名前を思わせるメモ書きを発見したのである。
 気になった沢村は、知人のジャンプの研究者に依頼して、杉江のジャンプがここ数ヶ月で格段に良くなった原因を科学的に調査してもらった。すると、驚くべき事実が分かったのである。それは、杉江のジャンプの全てが、楡井のものと瓜二つだったのである。スタートから着地までの一連の体形から、踏み切り時の加速度方向まで、グラフ化すると全く同じであった。

 捜査に行き詰った警察の元に、一通の匿名の手紙が届いた。そこには、楡井殺しの犯人が峰岸である事が書かれていたのであった。警察は峰岸の周辺を徹底的に洗い出し、そしてついに毒物の入手経路を特定し、峰岸を逮捕した。しかし、まだまだ謎はあった。どうやって楡井のカプセルに毒物を仕掛けたのか。そして、動機はなんだったのか。。。

 沢村の気付きをきっかけに、警察も楡井と杉江の不思議な関係には気付いた。しかし、それが今度の事件といったいどこで繋がるのだろうか。そして、警察にタレ込んだ人物は誰なのか。。。
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 警察VS犯人の、一般に本格ミステリと言われる分野の小説かと思いきや、犯人が峰岸である事がかなり序盤に判明してしまいます。そして、そこからは、毒の仕掛けと動機がなんだったのかを警察が追い始じめるのと平行して、沢村の「楡井と杉江のジャンプが酷似している」事の気付きが徐々にリンクしていくと言う展開になります。
 そして、峰岸に対して自首を勧め、警察に峰岸が犯人であるとタレ込んだ人物、すなわち探偵役が誰なのかを、犯人である峰岸と警察が追う、という形が物語のメインとなる、新しい展開へと移っていくのです。

 この小説は、スキーのジャンプ競技がテーマとなっています。これは1994年刊行と言う事で、あのリレハンメル五輪が開催された年でもあります。ジャンプ団体で原田が失敗し、銀メダルに終わったオリンピックです。
 そして、それから4年後の長野五輪で、原田がリベンジして見事金メダルを獲得します。僕は、そのジャンプ団体の競技自体は見れなかったけれど、高校の授業をさぼって表彰式には見に行きました。五輪以外の時にそんなにジャンプを見るほどではなくて、たまにNHKなんかで放送されてたら見る、って程度ですが、長野出身と言う事で比較的身近に感じているスポーツではあります。そして、あらゆるスポーツの中でも、絶対に自分には出来ないなぁと感じるスポーツでもあります。
 あまり普段脚光を浴びる事のないスポーツを題材に、これだけ楽しい小説を作り上げ、しかもまた違う趣向の作品と言う事で、あらためて東野圭吾はすごい!と感じます。
posted by 佐藤 由 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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